モンキーポッド

小林 透 さん

 
ハワイ・オアフ島で、この木なんの木で有名な、「モンキーポット」という木であるが、その生い立ちは、猿が、どこかの山でとってきた木の実の種を吐き出して、それが自生したもので、樹齢130年、高さ25m、樹幅40mとなっている。葉は夜になると、閉じて垂れ下がり、この地のスビルチアリスト(霊能者)たちは、木のふしぎなバワーを感じているそうである。
あるスビルチアリストが、村人たちの占いごとをする時には、この木の下で、夜になると瞑想し、木のバワーを受けてお告げをするのである。ある時、眼の不自由な少女が、見えるようになったり、歩けない老人がすたすたと歩けるようになるなど、不思議なバワーで、皆からの信仰を集めでいるのです。
 ただ一つタブーとなっているのは、霊能者以外の人は、その木の下に立ちいったり、踊ったりしないよう、言い伝えわれています。それは木の幹の根元から、円盤のように伸びている根っ子がバワーの源だからです。眼が見えるようになった少女が喜びのあまりに、木の下で踊ったとなんに、元の不自由な状態になったのです。
今では、この木の周りには、たくさんの同じモンキーポットの木が、見たこともない美しい花が咲かせ、人びとは来てたたずみ、鳥は翼を休めて風はそよぎ、一本の木が増えて森をなすように茂っています。(文章:フィクション)

 
2017.12.19