人魚姫の音楽
小林 透さん

アンデルセンが1836年に発表した童話「人魚姫」の結末はあまりにも悲しく、残酷。この童話には、有名な作曲家は誰もその曲を作りませんでしたが、オーストリアの作曲家、アレクサンダー・ツェムリンスキー(1871-1942)がこの童話を基に1902年から1903年にかけて作曲した3楽章からなる交響詩があります。
曲は、非常に重々しく暗い海底の描写で音楽は始まり、やがてヴァイオリンのソロで人魚姫の主題が現れる。海の泡になって人魚姫が.天国へいく情景が交響曲のような純音楽的な展開がされている。
音楽は、Youtubeの  交響詩「人魚姫」第1楽章 で検索してお聞きください。
人魚姫のストーリー
遠い海の底に、人魚のお城がありました。そこに住む人魚姫は、お姉さんたちが見てきた人間の世界の話を聞いて、自分も人間の世界へ行くことを楽しみにしていました。
人魚姫が海の上に顔を出すと、そこにはたくさんの明かりをつけた船が浮かんでいました。
船には王子様が乗っており、人魚姫は王子様をひと目見て恋をしました。
その時、突然嵐が船を襲い、王子様は海へ落ちてしまいました。人魚姫は海に落ちた王子様を助け、浜辺まで運びました。するとそこへ、どこからか娘がやってきたので、人魚姫は驚いて身を隠しました。娘が王子様を抱き上げると同時に王子様が目を覚まし、王子様は目の前にいる娘に助けられたと勘違いしてしまいました。それを見た人魚姫は、自分も本当の人間になって王子様のそばにいたいと思うようになりました。そこで人魚姫は魔女のところへ行き、人間にしてほしいと頼みました。魔女は人魚姫の声と引替えに、人間にしてくれるが、王子様が他の女性と結婚すると2度と人魚姫には戻れず海の泡になって消えてしまうとも言われました。ある日人魚姫は、王子様から溺れた時に助けられた娘と結婚することを聞かされました。助けたのは私だと言いたくても、人魚姫には声がありません。王子様の結婚式が近づいたある夜、海にお姉さんたちがナイフを持って現れ、王子様の胸を刺して殺せば、人魚姫は海の泡にならなくて済むと言いました。
人魚姫は、王子様が寝ている部屋へ忍び込み殺そうとしましたが、愛する王子様を殺すことができませんでした。人魚姫はナイフを海へ投げ捨て、自分も海へ飛び込み、海の泡になってしまい、そして魂は空にのぼって、輝く星になるのでした。

                           
                            2017.09.22